コラム

COLUMN

データマッピングを活用した「個人情報」のリスク分析テクニック


WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


  1. 個人情報とは?
  2. 個人情報の漏えいリスク
  3. 個人情報のリスク評価
  4. リスク対策とベストプラクティス
  5. 特権ID管理ソリューションの紹介
  6. まとめ

「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報保護法では、以下のように定義されています。(個人情報保護法2条1項)

  • 特定の個人を識別できる情報
  • 他の情報と照合することによって特定の個人を識別できる情報
  • 個人識別符号が含まれるもの

第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)

二 個人識別符号が含まれるもの

引用元 | 「個人情報の保護に関する法律」e-Gov法令検索
 

個人情報の種類

個人情報にはさまざまな種類がありますが、個人情報を取り扱う場合、特に注意が必要な情報やその特性を正確に理解しておくことが重要です。

個人識別符号

個人を一意に識別するための情報として、マイナンバー(個人番号)や免許証番号、パスポート番号等が挙げられます。さらに、DNA情報、指紋、顔の特徴、静脈データなどの生体情報も個人識別符号に含まれます。これらの情報が含まれる情報は個人情報となり、不適切な取り扱いや漏えいがあると、詐欺や犯罪の対象となるリスクが高まります。

要配慮個人情報

要配慮個人情報は、個人の病歴、障害の有無、宗教や信条等に関する情報など、特に取り扱いに慎重さが求められる情報を指します。これらの情報は、個人のプライバシーを深く侵害する恐れがあり、不適切な取り扱いにより差別や偏見を生む可能性が考えられます。

個人情報の漏えいが発生した際は、「個人情報保護法」の定める以下の条件を満たしている場合、報告や本人への通知が法的に必須とされています。

  • 要配慮個人情報が含まれる場合
  • 財産的被害が生じるおそれがある場合
  • 不正の目的をもって行われた場合
  • 1000人を超える漏えい等が発生した場合

「個人情報保護法」の定められている個人情報保護委員会への報告や本人への通知について、詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
 ⇒ 個人情報漏えい時の報告義務とは?個人情報保護法に基づく適切な対応

個人情報を取り扱う企業として、これらの情報を管理する際には、高度なセキュリティ対策、適切なアクセス制御、そして定期的な情報の精査が求められます。次の章では、これらの個人情報に関連するリスクとその対策について詳しく探っていきます。

個人情報を保護するためには、抜け漏れのない監査ログから、個人情報の漏えいリスクの高い不審な操作を早期に発見し対応することが重要です。個人情報保護の効率的な対策に「WEEDS Trace」が貢献します。「WEEDS Trace」は、抜け漏れのないアクセスログの取得が可能であり、全ての”人間による操作”をカバーしています。不審な操作としてチェックする必要のある操作だけをレポートとして出力することで、内部からの不正行為の抑止や、不正アクセスの早期発見に貢献します。また、万が一のインシデント時でも、これらのログを基に詳細な調査を行うことができます。

WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


個人情報の漏えいは、多くの組織が直面する潜在的な問題です。漏えいの原因は多岐にわたるため、個人情報の漏えいリスクを理解し、予防策を講じることが求められます。

内部からのリスク

ヒューマンエラー

日常の業務中によく見られるリスクで、メールの誤送信、誤って公開された情報、コピーした書類の紛失などが含まれます。特に意識的な教育や訓練が不足している場合、このリスクは高まります。

従業員による不正

情報を悪用するため、または競合他社に情報を売却する目的で、意図的にデータを持ち出す場合もあります。内部の脅威は、外部からの脅威よりも予防が難しく、企業の評価を大きく下げる可能性があります。

外部からの脅威

サイバー攻撃

不正アクセスやランサムウェア攻撃、DDoS攻撃など、外部の攻撃者による脅威は年々高まっています。特に、最新のセキュリティ対策を施していないシステムは、攻撃の対象として選ばれやすいです。

フィッシング詐欺

従業員を騙して情報を入手する手法で、リンクや添付ファイルを開くように誘導する電子メールなどを使用します。これにより、感染したマシンが情報を外部に漏えいする可能性があります。

これらのリスクを具体的に把握し、継続的な監視と改善を行うことで、企業全体のセキュリティを強化することができます。

個人情報の取り扱いに関しては、その情報の特性や管理状況を詳細に把握し、リスクを評価することが非常に重要です。以下の評価項目によってデータをマッピングすることで、一つ一つの情報に関する管理状況を明確にし、個人情報のリスクを具体的に評価できます。

リスク評価項目

基本項目

項目名項目概要
データの名称取り扱う情報の具体的な名前や識別子
取扱部署情報を主に管理・使用している部門やチーム
責任者該当データの管理責任者
人数対象となるデータに関連する人数
データの項目情報が包含する各要素やカテゴリ
利用目的情報を収集・使用する主な目的
データの分類情報のカテゴリーや重要性に基づく分類
要配慮個人情報の有無特に保護を要する情報(例:健康情報)が含まれているか
データの本人情報の主体や対象者(例:従業員)
データの取得方法情報をどのようにして収集したか
第三者提供の同意の有無情報を第三者に提供する際の同意の有無

保管状況の項目

項目名項目概要
データの保存形態電子データ、紙ベースなど、情報の形態
データの保存場所物理的または電子的な情報の保存場所
保存期間情報を保持する期間
利用・アクセスできる従業者情報にアクセス可能な社内スタッフの範囲
従業者がいる国アクセスする従業者の所在国
保管国自社が情報を保管している国
クラウド事業者名利用しているクラウドサービスの事業者名
クラウド事業者の本店所在国クラウド事業者の本社所在地
サーバー所在国データが物理的に保存されているサーバーの所在国
契約者情報クラウドサービスの契約者の詳細
委託先データ処理を委託している外部組織
委託先の本店所在国委託先組織の本社所在地

これらの評価項目を通じて、データの取り扱いや保管状況を詳細に把握し、リスクを評価することができます。

リスク評価

データ内容によるリスク評価

要配慮個人情報を含むデータや大量のデータが漏えいした場合、本人だけでなく事業者も深刻な損害を受けるリスクが高まります。このため、評価項目の「データの項目」や「要配慮個人情報の有無」をもとにデータの内容を精査し、組織内や委託先で適切なセキュリティ対策やアクセス制御が施されているかを検証することが必須となります。

データ保管におけるリスク評価

事業者が重要なデータを紙の形式のみで保管している場合、紛失するリスクが高まります。さらに、全てのデータを一つのクラウドサービスに頼って保管している場合、そのサービスが漏えい事故を起こすと、大量のデータが一度に流出する危険があります。このような背景から、評価項目の「事業者内での取扱い」や「委託先(再委託を含む)での取扱い」などの項目を詳しく調べ、保管リスクをきちんと評価することが求められます。また、組織内や委託先での適切なセキュリティ措置やアクセス制限の確認も必要です。

データ利用におけるリスク

事業者内でのデータ利用や第三者への提供に際しては、各ケースごとの取扱いを正確に行わないと法的な違反となる可能性があります。このため、評価項目の「利用目的」や「第三者提供の同意の有無」などの項目をもとに、事業者が法令を順守してデータを管理・利用しているかを慎重にチェックすることが重要です。


WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


個人情報の取り扱いにおいては、様々なリスクが潜んでいます。これらのリスクを回避するための対策は、外部からの脅威と内部からの脅威、この2つの観点から考えることが重要です。

外部対策

最新のセキュリティソフトウェアの導入

外部からの攻撃に対抗するため、セキュリティソフトウェアやファイアウォールを常に最新の状態に更新し維持します。

二要素認証の導入

アカウントの不正アクセスを防ぐため、ログイン時の二要素認証を採用します。

データの暗号化

保存される個人情報や通信中のデータを暗号化し、外部の不正アクセスや盗聴から保護します。

定期的なセキュリティチェックと監査

外部の脅威を早期に発見するため、セキュリティチェックや監査を定期的に行います。

内部対策

定期的な教育と研修

従業員が情報セキュリティの重要性を理解し、正しい取り扱いを行うための研修を実施します。

アクセス制御

必要な従業員のみが個人情報に関連するデータベースやシステムにアクセスできるようにします。

個人情報の最小限の保持

必要な期間や目的に応じてのみ個人情報を保持し、それを超えると削除または匿名化します。

内部の情報共有の最小化

情報の取り扱いを必要な部署や人員に限定し、無駄な共有や流出を防ぎます。

これらの対策を組み合わせることで、企業は個人情報のリスクを効果的に低減し、その安全性を向上させることができます。

システム管理者やIT部門の方々は、企業内の情報システムやネットワークへのアクセス権限を持つ「特権ID」を持っています。これらのIDは、通常の従業員が持つアクセス権限をはるかに超えるため、誤った操作や不正アクセスの対象となりやすく、非常にリスクが高いものとなっています。

特権IDとは?

特権IDは、システムやデータベースへの広範なアクセス権限を持つアカウントのことを指します。これは、システムの管理や運用を行うために必要なもので、システムの設定変更やデータの参照・変更などが可能となります。

特権ID管理ソリューションの役割

特権ID管理ソリューションは、このような特権IDの使用を厳格に管理し、セキュリティを向上させるためのツールとなります。具体的な役割としては、以下のような点が挙げられます。

アクセス権の一元管理

すべての特権IDのアクセス権を一元的に管理することで、不要な権限の削除や変更を迅速に行うことができます。

操作ログの取得

特権IDを使用した操作内容をログとして取得し、後から誰が何を行ったのかを追跡できるようにします。

定期的な権限の見直し

 定期的に特権IDの権限を見直し、不要な権限を削除することで、不正アクセスのリスクを低減します。

特権ID管理ソリューションの導入のメリット

セキュリティ強化

不正アクセスや情報漏えいのリスクを大幅に削減できます。

オペレーションの効率化

アクセス権の一元管理や操作ログの取得により、システムの管理が容易になります。

コンプライアンスの遵守

 法令や規範への対応がスムーズになるため、企業の信頼性を高めることができます。

特権ID管理ソリューションの導入は、現代のIT環境において欠かせないものとなっています。安全かつ効率的なシステム運用のために、特権ID管理ソリューションの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

特権IDの利用状況を正確に把握し、リアルタイムに分析することは、インシデント時の早期発見と適切な対応を可能にします。そのためには、抜け漏れなくアクセスログを取得することが不可欠です。「WEEDS Trace 特権ID管理ソリューション」は、全ての操作を正確に記録し、問題が発生した際の追跡や証拠収集を容易にします。

さらに、「WEEDS Trace 特権ID管理ソリューション」は低コストでの導入が可能です。導入コストを最小限に抑えつつ、セキュリティを強化することが可能です。特権ID管理の最善の手段について詳しく知りたい方、もしくは製品の導入を検討されている方は、ぜひとも資料請求をお願いいたします。

資料請求はこちらから。 ⇒ 特権ID管理の資料をダウンロードする

現代のIT環境は、絶えず進化し続ける一方で、その背後には高まるセキュリティリスクが潜んでいます。個人情報を取り扱う企業として、これらのリスクにどのように立ち向かい、どのように対策を講じるかは日々の業務の中心を成す課題となっているのではないでしょうか。

本コラムを通して、個人情報の定義や種類、リスクの具体的な内容、そしてそのリスクをどのように評価し対策するかというプロセスを学んでいただきました。特に、特権ID管理ソリューションのようなツールの導入は、企業の情報セキュリティを一段と強化する手段として注目されています。

しかし、テクノロジーやツールだけで完全なセキュリティを実現することは難しいのも事実です。大切なのは、常に最新の情報やノウハウを取り入れ、組織全体での意識の向上を図ること。そして、それを日々の業務の中で実践することです。

最後に、情報セキュリティは絶えず変わるフィールドであり、今日有効な対策が明日には古くなる可能性も考えられます。だからこそ、継続的な学びと成長、そして組織全体としての情報セキュリティへの取り組みがこれからも重要となるでしょう。


WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


特権ID管理ならウイーズ・システムズにご相談を

ウイーズ・システムズ株式会社は、創業からアクセスログ一筋のセキュリティ専門企業です。内部統制や各種ガイドラインへの対応、情報漏えいなどシステムセキュリティに関するご相談を受け付けております。

特権ID管理における様々な課題にウイーズ・システムズ株式会社が開発・販売する WEEDS Trace「特権ID管理ソリューション」が貢献します。WEEDS Trace「特権ID管理ソリューション」は、特権IDを一貫して統制・管理できる機能を提供しており、情報セキュリティの強化と業務効率の向上が実現できます。

ぜひウイーズ・システムズ株式会社のWEEDS Trace「特権ID管理ソリューション」のご利用をご検討ください。

Writer 雫田 貴一
WEEDS SYSTEMSのWebマーケティング担当者。
マーケティングだけでなく、システムの導入からセールスのサポートに至るまで幅広く手掛けています。
情報セキュリティに不安を感じるユーザーの悩みや課題を解決すべく、日々情報発信に努めています。